末期ガンのトメ「カラダが痛い‥もう頑張りたくない」私「もう頑張らなくていいよ、よく頑張ったね」→旦那『なんで俺を待ってくれなかったんだ!』私「えっ」→なんと…
流動食すら、もうとれなくて目も見えず体も半身不随だった。
それでも必タヒでペコペコと私に頭を下げる姿を見て
「あーこの人は、ただ自分で小さな問題を処理する事ができない弱い人なんだ」
と今までの恨みが半分に減った。
別の病院の相談室に毎日私は
「こちらで姑を引き受けて欲しい」
と頼み込んだ。
そしてやっと移動できた。
姑は泣いた。
旦那も「ありがとう」とは言ってくれた。
やっとプライバシーのあるカーテンの大部屋にうつり、オムツも体も拭いてもらえた。
看護婦さんも優しい言葉をかけてくれ、テレビも備えてあった。
少し回復した姑は声が少し出るようになった。笑顔も増えた。
「あんたに一番迷惑かけた。あんたのお陰、本当にありがとう」
その言葉で私が一番救われた。
恨みが消えた。
いつタヒんでもおかしくなかった。
娘がバァバにと猫の写真をとっては話していた。
体が痛いと言えば体を撫でた。
「薬増やしてもらおうね」
と慰めた。
もうタヒしかなくて痛みに耐える必要はなかった。
あとは意識混濁だけが問題だった。
10回近い手術に耐えた姑が私にだけは弱音を吐いた。
「桜見に行こう、近くにほら窓から桜の木が見えるよ。あれを見に行こう」
段々と痛みが強くなっていった。
モルヒネにも耐性がつき限界が近づいていた。
「もう頑張りたくない」
そう言った姑に
「もう頑張らなくていいよ、よく頑張ったね」
と言うと泣かれた。
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